デシベル
最終更新日時: 2025年08月25日 12:57
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基準値に対する比率を表現するための数を定義するというのが根本にある。
しかし、デシベルは、ある基準値に対する相対的なパワーまたは振幅の対数比である。 dBを理解するときにつまづく代表的なことが二つある。
- なぜ10を底とする常用対数をつかうのか?
- なぜ係数が20の場合と、10の場合がどちらもdBというのか(後で出てくるが)
この二つを理解することが必要である。
デシベル(dB)の定義
Section titled “デシベル(dB)の定義”振幅の二乗がパワーに比例するという事実が物理的に存在する。 例えば音に関して、パワー比を考えるときと、振幅比を考えるときに、
である(は振幅とする)
一方で、電力の世界で利得を表現するときも比率の世界なのだがその時のdBは、
と似た定義が現れる(は電圧とする)
対数であるだけでなく、係数が異なっている。 何故、この違いが生じているかを理解すれば逆に覚えやすくなる。
振幅をとしたときに基準との比率は
であるが振幅のパワーは、であるため、パワー比は、
となる。
この比率は、比較すると小さい値である, という非ゼロの小数から、 倍倍という大きな値を取る可能性がある。
この数値の取る範囲が持つ性質は、関数の値域の性質と同じである!!
これにより初めて10のべき乗が必要であることが分かってくる。
仮に、比率が
というBell(ベル)という値を定義した場合、比率=0.5の場合にはであるため、

となる。
比率を表現するしかし感覚的に最も意識すべき数のレンジは、 なんとなくだが、周辺を扱いやすくするためにと書いた方が簡便であろう。
そしてこれを(デシベル)と仮に定義する。
このの値が-0.30ではBellと同じ比率0.5にならない。その10倍の値である-3.0の値を取らないと比率0.5に達しない。 すなわちBellのの値がdBであると言える。
そして、語源的にはラテン語「decimus」(10分の1)から。10分の1倍を意味する接頭語である。 すなわち、リットルと、デシリットルの関係と同じく、Bell(ベル)とdB(デシベル)の関係が成立する。
を比率と定義した方が人間の感覚からして扱いやすいということが分かったし、数式を見るとBellとdBの10倍の関係が逆に見えそうだがここは注意が必要なところである。
この式改めて表記しなおすと
となり、
両辺に10を底とする対数を取ると、
という式が導かれる。
ちなみに、振幅から構成されるパワー比ではなく、単純な電力比である場合には2乗する必要はなく、 単純に測定値の比率となるため
とdBが定義されることになる。2は二乗の2だったのだ。
ちなみに、BellはB(ベル)でありAlexander Graham Bellに由来していて、音響や通信における比率の単位として命名された単位として存在している。
測定対象や考え方によってdBというものが変化する
Section titled “測定対象や考え方によってdBというものが変化する”これまでの説明で明らかになったが、 二乗比なのか、単なる比を考えればいいかで係数が20なのか10なのか、 物理的な意味合いから変わってくる。
- 音響信号処理、音圧レベル
- 係数は20
- 音の知覚における音量差の評価
- 係数は10